7: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:08:22.33 ID:s8phhYh5O
しかし、まるでそんなものとは無縁だと云うような雰囲気で――
車も人通りも多いスクランブル交差点の傍ら、何をするでもなくガードレールに気怠く腰掛ける少女がいた。
否――むしろそれは、閉塞や鬱屈への、一種の白旗だろうか。
かれこれ数十分も、冷めた視線を世界へ送っているのだから。
微動だにせぬまま、時折走る風に、髪や服の裾が揺られるだけ。
艶のある長い黒髪、やや吊り上がった切れ長の眼、神秘的な碧い瞳を持つその少女は、おそらく十代半ばだろう。
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