過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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731: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:29:16.84 ID:3+pD+bLQo
「765とはまだまだ当たりたくないな……」

Pは、誰もいない第一課で残業しながら独り言ちる。

次のフェスに向けて詳細を詰めなければならないし、CGプロ単体で行なうライブの手配も興業部と打ち合わせる必要がある。
以下略



732: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:29:47.22 ID:3+pD+bLQo
まもなく世間では大型連休で、法務部とか云う暦通りの連中からは浮かれた空気が漂ってくるのに。

「社内格差だ!」とでも叫びたくなる。

ただしそれを云い始めたら、P以上に暦の関係ないアイドルたちから怒られよう。
以下略



733: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:30:13.26 ID:3+pD+bLQo


――

大型連休後半、五月に入ってすぐの週末。Pと凛は午前中の便で新千歳空港へ降り立っていた。
以下略



734: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:30:40.94 ID:3+pD+bLQo
預けた荷物はないので返却場のターンテーブルは素通りし、札幌行きJRのホームへと向かう。

東京とはまるで違う構造の電車に、凛は驚いた。

「ドアが二重になってる……」
以下略



735: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:31:11.69 ID:3+pD+bLQo
なぜこのような旅行紛いのことをしているのか?

札幌に二店舗あるトワーレコードで、トークイベントを開催することになったためだ。

CDが爆発的にヒットしたことで、ジヤパン哥倫から急遽、大型連休中に全国各地で発売記念トークを行なう企画を得た。
以下略



736: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:31:37.13 ID:3+pD+bLQo

「――実は発売日にこっそり近くのお店を覗いたんだ。
 そしたら特設コーナーがあって、立ち止まってくれる人も多くて」

アイドル衣装ではないが、普段よりややお洒落をした私服で、
以下略



737: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:32:06.96 ID:3+pD+bLQo

「ねえ、プロデューサー」

二箇所での仕事を終えて、帰京する時間まで札幌の街を散策するうち、凛が隣を歩くPに語り掛けた。

以下略



738: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:32:33.48 ID:3+pD+bLQo
Pは正直、そこまで考えてトークイベントの企画を進めたわけではなかった。

たまたまジヤパン哥倫からの「やらない?」と云う素案を具体化し、廻しただけ。

それでも凛が、そしてファンが喜んでくれたのなら、プロデューサー冥利に尽きるというもの。
以下略



739: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:33:02.92 ID:3+pD+bLQo
「……そっか。社長やプロデューサーにスカウトされて……もう、一年経つんだね」

流れで高校へ進学して、何の彩りもなかったときに現れた、妙なオジサン。

渋谷で当て所もなく抜け殻になっていた自分の前に現れた、妙な不審者。


740: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 21:33:31.76 ID:3+pD+bLQo
「プロデューサーには云うまでもないだろうけどさ、私、空っぽだったんだよね――」

卯月みたいに、小さな頃からアイドルへ憧れていたわけでもない。

未央みたいに、大勢の輪の中心で笑っていたわけでもない。
以下略



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