過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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9: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:11:06.06 ID:s8phhYh5O

「……ん? なに?」

男が少女の方へ歩み寄ると、それまで何の反応もなかった彼女が、ごくわずかに目線を向けて問うた。

以下略



10: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:11:37.47 ID:s8phhYh5O
「まあ、用がなさそうなのは見ていれば判るんだけどな、どうにも君の様子が妙なんでね。声を掛けてみたのさ」

「ヘンなナンパの仕方だね」

「いや、ナンパじゃなくて。何か放っておけない、と云うべきか……あぁ、俺は別に怪しい者じゃない」
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11: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:12:05.04 ID:s8phhYh5O
「私、急いでるから。もういい?」

どう見ても急いでいるようには思えないのだが、これは『私に構うな』と云う常套句。

「じゃ」
以下略



12: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:12:32.45 ID:s8phhYh5O



・・・・・・・・・・・・

以下略



13: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:13:38.84 ID:s8phhYh5O

まもなく大型連休を迎えるものの、世間はそれを手放しで歓迎できていない。

つい先日発生した、未曾有の地震の所為だ。

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14: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:14:19.61 ID:s8phhYh5O
今、世間には、過度な『自粛』を強要する空気が満ちていると云っても過言ではない。

そう、個人の誕生日を祝うことすらも憚られるほど。

本来なら、今夜は通っている養成所でささやかなお祝いが開かれる予定であったが、お流れとなってしまった。
以下略



15: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:14:52.69 ID:s8phhYh5O
そこへ、数十メートル先に昇降口を構える駅から歩いてきた、体格の良い男が道を尋ねる。

少女が軽いジェスチュアを交えて教えると、合点がいったようだ。

お礼にジュースでもどうかと問うので、
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16: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:15:27.37 ID:s8phhYh5O

公共交通を数本ほど乗継いだ場所にある養成所の、壁面が全て鏡張りされたスタジオ。

大勢の女の子たちに混じって、その少女の舞う姿が見える。

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17: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:16:09.12 ID:s8phhYh5O
勿論、養成所だって誰も彼も見境なしに入塾させてくれるほど甘くはない。

だから、一定のラインはクリアできているはずだと、或る程度の自信は持っても良いと思う。

それでも、栄光の舞台を目指さむと日々奮闘する数十人ものライバルを見ると――
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18: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:16:42.87 ID:s8phhYh5O

大勢で同じ動きを舞うことしばし。

頑張った成果か、前回踏めなかったステップをこなせるようになり、少女は足許を見ながら笑みを浮かべる。

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19: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:17:11.48 ID:s8phhYh5O
どうやら、業界関係者のようではあるが……

養成所で修練していれば、そんな人物がやってくるのはままあること。

彼女は、その人物を意識しないように、ひとまず今は練習に集中するようにと、自ら云い聞かせた。
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