過去ログ - 仮面ライダー×艦これ オンドゥルこれくしょん 夏休みスペシャル 
1- 20
41: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/08/10(月) 22:07:41.93 ID:hDcSHH600


「あとコレ。こんなもんしかなかったけど・・・、食べなよ」

剣崎さんが袋を渡してくれた。その中にはたい焼きがはいっていた。すごく温かい。

私は夢中になってたい焼きにかじりついた。甘くて温かい味が口のなかに広がり、お腹の中がすごく暖かくなった。

「そう言えば、君はその深海棲艦とかいう怪物と戦ってるんだって?」

たい焼きをかじりながら剣崎さんが尋ねてきた。

「はい・・。私だけじゃなく、私の妹や他の艦娘達も」

「大変だな、キミ達みたいなかわいい女の子が戦うなんて・・・」

「へっ!? わっ、私が・・・?」

また顔が赤くなってしまった。

かわいい。そんなこと、言われたことがなかった。まして、こんなカッコいい男の人に言われることなんて初めてだった。

「そっ、そんなっ・・・。私なんかよりかわいくて人気の子なんて大勢いますよ・・・」

「何言ってんだよ、キミだって十分可愛いだろ」

「・・・・・・」

私は顔を赤くしたまま、黙ってたい焼きにかぶりついた。

「とにかく、食べたら俺の寝袋貸すから、そこで暫く寝といてくれ・・・。しばらくしたら、その・・・、真珠なんとかってとこまで送るよ・・・。住所は分かる?」

「それが・・・、私も詳しい場所はよくわからなくて・・・」

「きみ、もしかして記憶喪失なのか?」

「私達、昔の記憶がはっきりしてなくて・・・。よくわからないんです」

そう言えば私たちはどうやって生まれてきたのだろう。瑞鳳が妹なのに、私には彼女と過ごした幼い日の記憶がない。

なぜなのかはよくわからない。これまでは特に気にしてなかったが、なぜなのだろう。

「ま、いいっか。明日警察に行って、相談しよう・・・。今夜は俺が見張っててやるから、もう休みな」

「は、はい・・・。おやすみなさい・・・」

彼の言葉に素直に従い、私は男っぽい匂いがする寝袋の中に入る。

そのまま、疲れた身体を横にして、眠りに就いた。

考えてみると男の人が隣にいる経験さえ初めてだった。にもかかわらず、私は安心して眠ってしまった。

彼の笑顔がとても穏やかで優しかったから、何も不安がなかったのかも・・・




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
155Res/210.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice