13:名無しNIPPER
2015/08/10(月) 21:46:16.40 ID:wxXWj7PH0
大淀「戦争について?」
提督「あぁ、その通りだ。」
提督は机に開いたノートに肘を乗せ顎に手を当て、電気スタンドの光を嫌う様に反対側を見上げ暫し逡巡したのち、こちらを見据えて口を開く。
提督「戦争は変わった。弓箭鉄砲でやあやあ名乗りを上げて干戈を交える時代から、戦車軍艦で撃ち合う時代から、変わった。」
提督の漆黒の目がこちらを射ぬく。その迫力に息を呑む。その眼はただ一心にこちらを見詰めてくる。
提督「先祖返りした、と言った方が正しいかもしれない。だから昔の戦術を調べていただけだよ。」
そう言って彼は力無く笑い、資料を仕舞い始める。確かにちょっと疲れたかも。そう零しながら。
大淀「飛鷹さんが居なくなるとすぐに無理をするんですから。」
提督が引っ張り出してきた資料を片付けながら愚痴を零す。最近はしっかり休んでいると思ったのに。あぁ、済まない。と提督の声が本を仕舞う音と共に聞こえる。
提督「心配かけると怒られるからな。」
最後に彼は机に開いていたノートを閉じる。白い表紙が暗い部屋にほの白く浮かび上がる。
大淀「…お熱い事ですね。」
自分でも驚くほど平坦な声音だった。
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