16:名無しNIPPER
2015/08/10(月) 21:48:55.77 ID:wxXWj7PH0
『深海棲艦ノ反応消失ヲ確認ス。此度ノ諸君ノ栄誉ヲ称エ―――』
焼け跡に立ち尽くす艦娘達を出迎えたのは大淀に設備された洋上用艦隊司令部施設への軍本部からの電報、一つであった。鎮守府官邸も入渠ドッグも、彼女達を迎える影は無く、遠くの防空壕からまた、焦土に向かう一団があった。その先頭には工作艦明石。
軽空母飛鷹は駆け出した、鎮守府官邸跡地へと。瓦解し、焼失したそれに向かう彼女を、艦娘達は呆然と見守った。
焼け跡からは焼死体が発見された。肌は焼け爛れ、人相の判別は付かぬ。幸か不幸か、がれきに埋もれていたその手に嵌めた装飾品は辛うじて原型を留めていた。煤けた木の輪を指に嵌めた焼死体であった。
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