過去ログ - 鷹富士茄子「私を見つけてくれたから」
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89:名無しNIPPER[saga]
2015/09/08(火) 00:21:36.15 ID:CDWU1HmG0

「あ、はい。何ですか?」

「先程からずっと何か考え事をしているようでしたから……」

「あぁ。いえ、何でもありませんよ。考え事と言ってもちょっとした事です」

「それにしては、とても思いつめたような顔でしたけど……本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫です。ちょっと昔の事を思い出してただけですから」

「昔の事?」


茄子さんが目を丸くして、首を傾げる。一々挙動が愛らしいのは相変わらずだ。


「えぇ。まぁ、子供の頃の事です」

「子供の頃、ですか」

「はい」

「ふふっ、そうですか〜」


茄子さんは何が嬉しいのやら満面の笑みを浮かべる。そしてその笑顔にまた胸に懐かしさが蘇る。
狂おしい程の感覚。彼女を見ているだけで、胸が詰まってしまう。


「茄子さん……」


そして喉の奥から勝手に飛び出るかのように思わず、彼女の名前を呼んでしまった。


「はい〜、何でしょう〜?」

「あ、いえ……その……」


また愛くるしい笑顔で彼女は見つめている。
あどけなくもあり、それでいて女性の包容力も兼ね備えた瞳で彼女は俺を見つめる。
こういう無垢な瞳で見つめられると、隠し事という程のものではないが、彼女に何か伝えられないでいる自分が恥ずかしく思えてくる。



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