7:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2015/08/11(火) 22:23:39.99 ID:wqQE0kJT0
「……なんだそれは。貴様、吾輩を馬鹿にしておるのか」
「い、いえ! けしてそのような――」
不満をあらわに折り畳み椅子にどすんと腰を下ろした男。軍服の内ポケットから葉巻を引っ張り出す。
黒服の一人が颯爽と前に進み出、手慣れた動作で火をつけ、ひどく丁寧に差し出した。
炙られた先端が薄らと紅い炎を湛えたのを見、男は逸らしていた顔を再び海に向けた。
「海軍の兵器開発に当たっては、吾輩も一度のみならず協力した。
財務官どもが出し渋っていた研究開発費にも融通を利かせるようあの手この手で取り計らってやった」
「は、はい、左様で。閣下には感謝の言葉もございません」
「にもかかわらず、貴様はあの娘たちが海軍の虎の子、切り札だとほざくのか?
研究所に引きこもっている間に化学物質で頭をやられていたとは思わなかったな」
たっぷりと煙を吐き出した男に、室長は咳き込みもせず、ただただ苦笑いを浮かべた。
「あ、あの、お疑いはごもっともだと存じます。私自身、この目で確認しなければとても信じられなかったでしょうし」
「疑う以前に、ナンセンスだ。最新鋭の戦艦や重巡洋艦が手も足も出なかった化け物どもなのだぞ。
吹けば飛びそうなあの小娘どもがどうやって対抗したというのだ」
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