過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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107:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/30(日) 23:03:55.58 ID:G+niSgN10
「私が幼い頃、家庭教師がいたの。その人の名前は、小川絵里。私の家族は、誰もかも自分の

ことしか考えていないように人たちだった。父はまだ、私をかわいがってくれていたけど、母

と姉がひどくてね……。母は、私と姉を所有物として完全に制御しようとしていた。自由なん

て、何一つないような生活だったわ。そんな母の魔の手から逃れるために、姉は私を囮にした。

だけどね、地獄のような生活の中でも、一筋の光があったの。それが、彼女だった。殆ど家に

閉じ込められていた私に、彼女は本当にたくさんのことを教えてくれた。周囲は打算で近づい

て来るような人ばかりだったけど、彼女だけは、私にやさしくしてくれた……」

「ゆきのん、大変だったんだね……」

「ええ。彼女がいなければ、今の私はいなかった。この世界にも、いなかったかも……」

「ゆきのん……」

「そんな彼女が、交通事故にあった。私が中学一年生の時だったわ。そして彼女は意識を失っ

て、今も植物状態のままよ。そんな彼女の意識を取り戻して、きちんとお礼を言う。あなたの

おかげで、私は今生きている、と。そのために、私は仮面ライダーになったの」

「じゃぁ、戦いを止めようとしてる私達は……」

由比ヶ浜は、気まずそうにうつむいた。

「あなたが気にすることではないわ。それはきっと、最後に私が決めることだから……」

※注釈

雪ノ下の過去に関係する「小川絵里」ですが、これは「仮面ライダー龍騎」本編に置いて、「仮

面ライダーナイト」に変身する秋山連の恋人で、同様に意識を失っており、彼の戦う理由とな

る女性です。

雪乃のエピソードでは登場しますが、登場人物として何かを語ったりすることはありませんの

で、彼女のことを知らなくても物語を読むうえで支障はありません。

「それより今は、鶴見さんのことよね。どこぞのロリコンさんも心配しているようだし」

そう言って雪ノ下は軽く笑みを浮かべる。

そうだ、今は、未来のために戦う時だ。

「留美ちゃんを、みんなと仲直りさせてあげればいいのかなぁ」

「それは無意味よ。誰かを仲間はずれにすることでしか絆を確かめられないような連中と一緒

にいても、決して彼女にとってプラスにはならない」

「でも、周りが集団で、自分だけ孤立してるって言うのは、つらいと思うな……」

「そうね、どうしたものかしら……」

「そんなもん、ぶっ壊しちまえばいいだろ」

「え?」

「だってそうだろうが。その集団に入れば害される、かといって放置していても着実に負担を

与えてくる。この二つを連立させて解けば、出てくる解は一つ、その集団を消滅させること。

こんなもん数学学年最下位の俺でもわかる」

「……あなたらしいわね」

「そりゃどうも」

「別にほめてはいないのだけど」

「え?俺らしいって、けなされてるんですか?」

「比企谷君みたいなんて、これ以上の侮辱の言葉もないと思うのだけれど……」

「あはは、なんか、調子戻ってきたね!」

「そうだな、俺達はこれでいいんだ」



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