過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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128:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/30(日) 23:16:33.30 ID:G+niSgN10
「お兄ちゃん、何か言ってみてよ!」

「ワンっ!(働いたら負けだ!)」

精度高すぎだろ……。

「うん、間違ってるのはお兄ちゃんの方だね」

「とにかく、遊んでほしいみたいだな。……散歩にでも連れてってやれば?」

「じゃぁお兄ちゃんも一緒にいこ!決定!」

「えー、俺読みたい本あるんだけど……」

小町が可愛い顔をして首をかしげる。

「はいはい、わかりましたよ。お兄ちゃんも行きますよ」

「わーい!」

すでに空は赤くなり、月がうっすらとその姿を見せている。

昼間タップリと日を浴びて、水も十分に吸収した稲をかき分けるように風がピュウっと吹く。

「いやー、お兄ちゃんと散歩するなんて久しぶりですなー」

「そうだなー」

確かに二人で、目的もなくぶらぶら歩くのはご無沙汰かもしれない。

「お帰りって言ってくれる人がいるのって嬉しいよね」

「ま、基本的にはな。例外もあるけど」

「うわー、面倒臭いなー」

小町は、でも、と言って続けた。

「そんなめんどくさいお兄ちゃんでも、いてくれると嬉しいよ」

その言葉を聞いて、俺はふと小町が小学生時代に家出をしたことを思い出す。

家に帰って誰もいないのはさびしいと、幼い小町は大泣きしたものだった。

それ以来俺は、学校が終わるとすぐに帰宅するようになった。もともと友達がいなかったとい

うのが大きな理由だが。

「別にお前の為じゃないさ。ついでだ、ついで」

「それでもね、いいんだよ」

「そうか」

「……お兄ちゃん、小町に隠し事してるでしょ?」

「お前はアホか。秘密が一つもない人間なんていねぇんだよ」

「んー、そりゃそうだけどね。……言いたくないなら、いいけどさ。でも、一つだけ」

「なんだよ」

「無理、しないでね。お兄ちゃん昔から、冷たい振りしてすぐ困った人助けちゃうんだから。

自分を犠牲にして、さ」

「覚えがないな……」

「もう、捻デレさんなんだから!」

「少なくともデレてはいないと思うが……」

「本当、無理しすぎないでねっ!」

「はいはい」

「いつまでも、そばにいてよねっ!あっ、今の小町的にポイント高い!」

普段のように冗談めかして言ったが、それはきっと彼女の本心だったのだろう。

玄関のドアを開くと、そこには由比ヶ浜がいた。

「やっはろー!」



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