過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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131:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/30(日) 23:18:29.64 ID:G+niSgN10
「あはは、違うよー。全然そんなんじゃないよ〜」

……しくじったな。

先ほどの相模の汚い笑みは紛れもない嘲笑だ。

こいつは、「由比ヶ浜結衣の連れている男」をみて笑ったのだ。
よく知らない人間を判断する際の判断材料は何か。

社会人にとってそれは、収入であったり実績だったりするのだろう。

そして、学生にとってそれは、『所属するカースト』だ。

由比ヶ浜は誰にでも隔てなく接するから忘れがちだが、彼女の所属カーストは最高位のものだ。

たとえば雪ノ下雪乃であれば、どのようなカーストにも属していないが、彼女を笑うことがで

きる者はいないだろう。

その容姿、能力、財力がカーストを叩き伏せられるレベルにまで達しているからだ。

だが、この俺比企谷八幡は……。

当然彼女のようにはいかない。他者にとって俺は、『最底辺のカースト』に所属する中の一人で

しかない。

そして今のこの状況は、淑女たちの社交場のようなものだ。

連れている男子というのは、バッグや身につけている物以上に大きなステイタスとなる。

たとえば彼女が連れているのが葉山隼人であれば状況は全く違っただろう。

それこそヒーローインタビュー並みである。

だが俺なら、軍法会議で欠席裁判レベルだ。

俺はいくら笑われてもいい。こんなやつらにどう思われようと痛みも何もないから。

だが、そのせいで由比ヶ浜結衣が嫌な思いをするのは避けたい。

「焼きそば、並んでるみたいだから先行くな」

「あ、あたしも行くよ。じゃぁね、さがみん」

「うん、ばいばーい」

最後にもう一度クスリと笑ったのを俺は見逃さなかった。

「よかったのか?着いてきて。話すことあったんじゃねぇの?」

「ううん、別に。……ちょっと、苦手だし」

由比ヶ浜がこんなことを言うのを俺は初めて聞いた。

よほど苦手ということなのだろう。そんな相手ともうまくやっている彼女には素直に感心して

しまう。

「そんなことより、もうすぐ花火だよ!楽しみだね!」

屋台の連なっている道から続くメイン会場はすでに人であふれかえっていた。

座る場所も身の置き場もない。

俺一人ならどうとでもなるが、連れがいるとなると話は別だ。

「いやー、混んでるねぇ」

たはは、と彼女は笑う。

「こんなに混むならビニールシートでも持ってくりゃよかったな」

「ヒッキーって、気、使えるんだ」

驚いたように由比ヶ浜が言う。

「はぁ?失礼なやっちゃな。気ぃ使ってるから迷惑かけないように隅っこにいるんだろうが」

「そういうことじゃなくてさ……。その、何というか、優しい?じゃん」

「よく気づいたな。そうそう、俺は超優しいんだよ。今までいろいろ嫌なことがあったが、誰

一人何一つ復讐せずに見逃してきてやってるからな。俺が並の人間だったら毎日ドラグレッダ

ーが暴れまわってるまである」


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