過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
1- 20
139:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/13(日) 22:38:30.65 ID:7YfIX9WR0
なんだかほんわかした雰囲気の人。それが彼女に抱いた第一印象だった。だが、その下に何か

隠している気がするのは、少し前に雪ノ下陽乃とあったからだろうか。

「生徒会長の城廻めぐりです。え、えっと……、みんなでがんばろー!おーっ!」

彼女の最後のやっつけとも取れる挨拶を聞くと、皆は一斉に拍手をする。

当然俺はそれに参加しなかったが。

その拍手が鎮まると、彼女は再び話しだす。

「知ってる人も多いと思うけど、例年、文化祭実行委員長は二年生がやることになってます」

そりゃそうだろうな。三年の秋にこんなことやってるとしたらそいつはよほど余裕のあるやつ

かただのアホだ。

「それじゃぁ、誰か立候補者はいますかー?」

とは言うが、誰も手を上げる者はいない。

当然だ、皆やる気があったとしても、それを発揮したい場はここではない。

できればクラスや部活で、といったところだろう。

「おいおいみんな、どうしたんだよ。こういうことはやってみた方がいいって。失敗なんか恐

れなくていいんだよ。明日のパンツさえあればどうにだってなるんだから!ね、アンク?」

女子の前で平気でパンツとか言い出したのは、社会教師の火野映司だ。若くて男前なのだが、

突然『アンク』とか言い出して、何もない空間に話しかけたりするちょっと変わった人だ。

「火野先生、女子生徒の前でパンツパンツと連呼するのはやめた方がいいと思うのですが」

「あっ、ごめんね?セクハラとかそういうつもりはないんだけどさ……。死んだおじいちゃん

がよく言ってたんだ、男はいつ死ぬか分からないから、パンツだけは一張羅をはいとけって」

よ、よくわからない……。

「そ、そうですか……。変わった方だったようですね」

雪ノ下の頬が珍しくひきつっている。

「せっかくだからやってみない?……手が届くのに、手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔す

る。それが嫌だから、手を伸ばすんだ」

「よく、おっしゃることが分からないのですが……」

「俺、教師になる前、いろいろ世界を回ったんだけどさ。

貧しい国に募金してたつもりが、悪い人に使われてたり、ひどい時は内戦の資金になってたり

する。

だから、人が助けていいのは、自分の手が伸びる範囲までだって、そう思うんだ。……だから、

君のできる範囲でできることがあるんなら、きっとやってみた方がいいと思うんだ」

「どうかな、雪ノ下さん?」

城廻が火野先生の言葉を遮るようにして雪ノ下に話しかける。

「実行委員として善処します」

一刀両断!火野先生結構頑張って説得してたのに……。

ちょっと涙目になってるじゃねぇかよ。

あっ、また『アンク』とか言ってるし。

彼女に拒否されて困ったのは城廻だ。

「うーん……、えっと、そうだ!委員長やると結構お得だよ?ほら、内甲とか、推薦書とか…

…」

そんなこと言われてやるやつなんているわけねェだろ……。

「えーっと……。どう?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
635Res/1285.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice