過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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140:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/13(日) 22:40:53.42 ID:7YfIX9WR0
皆の方を見まわした城廻の視線が、雪ノ下の前でとまる。

雪ノ下の眉根がピクリと動いた。

どうやら不機嫌になっているようだ。

そりゃそうだ、大嫌いな姉に重ねて見られているのだから。

「あの……」

と、その時小さな声が室内に響いた。

「みんながやらないんなら、うち、やってもいいですけど」

その声の主は、相模南だ。

申し出を聞いた城廻はうれしそうに手をたたいた。

「本当?嬉しいな!じゃぁ、早速自己紹介してくれる?」

「二年F組の相模南です。こういうの、少し興味あって……。うちもこの文化祭通して成長し

たいっていうか……、その、前に出るのもあんまり得意じゃないんですけど、そういうとこも

変えていけたらなーって……スキルアップのチャンスだと思って頑張ります!」

……なんでこっちがお前みたいなやつの成長に協力しなきゃいけないんだよ。

だが、他の連中は城廻にしたように歓迎の拍手を送っている。

その中で手を叩いていなかったのは、俺と雪ノ下だけだった。

「さ、じゃぁ後は残りの役割を決めます。五分ぐらいしたら希望をとるので、議事録の説明を

見てください」

ざっと目を通す。この中で一番楽そうな仕事は何だろうか。楽をするためならどんな努力も惜

しまない!

宣伝広報、食品衛生、会計監査……おっ、これはっ!

記録雑務の四文字が俺の目にとまった。当日写真撮ったりするくらいでいいらしい。どうせ当

日の予定もないので暇つぶしにちょうどいい。

俺が希望する係を決めるとほぼ同時、またしても耳障りな声が聞こえてくる。

「ノリで実行委員長になっちゃったー、どうしよー」

「だいじょぶだよー、さがみンならできるよー」

「そうかなー、できるかなー。ていうか打ち、さっきめっちゃ恥ずかしいこと言ってなかった?」

「そんなことないって、よかったよー。ね?」

「うんうん、よかったよかった」

ああ、素晴らしい友情だ。

「うかない顔だね、比企谷君、だったっけ」

「どうも……」

俺に話しかけてきたのは火野先生だ。

「彼女達のことかな?」

「……ええ、まぁ。なんか、嘘くさいですよね」

こんなことを言ったことに自分が一番驚いている。俺はそういうことは思っても、決して他人

に言ったりはしないのに。

この人には、そうさせる何かがある。だが、雪ノ下陽乃や平塚静、葉山隼人のような気味の悪

さはない。

裏表を一切感じない、信頼できるような語り口と表情だ。

いい人なんだな、と直感する。

「誰かと仲良くしたいっていうのも、欲望だからね……」

「欲望?」



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