過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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190:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/09/13(日) 23:20:48.58 ID:7YfIX9WR0
迷いなく心臓部を狙った一撃。

完璧なタイミングなはず。

だが、手ごたえは無かった。

オーディンの体に触れると同時、そこに黄金の羽根が無数に舞ってその姿が消えた。

「ぅっ!」

と、後方から衝撃を受ける。

無防備な背中を切りつけられた。

「ハッ!ハァッ!」

二発、三発と連続で攻撃を繰り出すが、そのいずれも当たらない。

私の攻撃が少しゆるむと、すかさずオーディンは攻撃を繰り出してくる。

「……っ!」

「Blast Vent」

辺り一帯にダークレイダーの起こした強風が吹き荒れる。

「……」

オーディンの姿が消えて、しばらく出現しなくなる。

「……っ!」

気をゆるめてしまった一瞬を見計らったかのように、オーディンは上空に現れた。

そして、風を利用して威力を高めた空中からの降下キックを繰り出してくる。

くしくもそれは、私が比企谷君との戦いで使った技だった。

彼との戦いに踏み込まれたような気がして、私の頭に血が上った。

「Trick Vent」

弱った自分のカバーをさせるように、7体の分身を呼び出す。

分身たちは、オーディンが現れた先から攻撃していく。

これにはいささかオーディンも戸惑ったようだった。

「Advent」

だが、その状態は一瞬にして終わった。

オーディンの契約モンスターであろうフェニックスが出現して周囲を飛び回り、その羽に当た

って分身はことごとく消された。

「ファァァッッ!」

甲高い声で鳴き、フェニックスは私に向かってくる。

衝撃に耐えられず、私は吹き飛ばされる。

その衝撃で、サバイブ体が解けてしまった。

「……っ!」

「Swword Vent」

倒れてしまった状態でも、何とか武器を手にすべく、使い慣れた得物『ウイングランサー』を

出現させる。

「ふふっ、ゲームセットだよ、雪乃ちゃん」

顔は見えないが、勝ち誇った笑みで彼女は言った。

剣をわたしの上で交差させる。

すぐに喉元や心臓部につき刺さないのは、彼女の余裕の表れだろう。

「バイバイ、雪乃ちゃん」

オーディンの剣が持ち上げられたその瞬間、私が狙っていた、その一瞬。



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