過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
↓
1-
覧
板
20
201
:
くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/09/29(火) 12:56:34.36 ID:AuVSUEXb0
その視線の交錯は、あまりにも冷ややかだ。
ふと、陽乃の頬が緩む。
「へぇ……、いいよ。雪乃ちゃんがわたしにお願いするなんて初めてだし。今回はそのお願い、
聞いてあげる」
遥か高みからかけられるその言葉に甘さは無い。
すげなく断るよりも、はるかに辛辣だ。
と、そう言われた雪ノ下はおかしそうにわずかに笑った。
「……お願い?勘違いしないでほしいわね。これは実行委員としての命令よ。組織図を覚えて
いないの?指示系統上、私の方が立場で上であるということをわきまえなさい。有志団体代表
者の協力義務は校外の人間でも適用されるのよ」
絶対の自信を持ってそう言い返す。
自分から頼んでいるにもかかわらず、絶対上位の姿勢を崩さない。
その姿が、出会った頃の彼女の姿を思い起こさせる。
決して媚びず、自らの正しさを振りかざし、絶対の刃で相手を斬り伏せる。その姿こそは雪ノ
下雪乃。
それこそが仮面ライダーナイト。誇り高きその名にふさわしい。
一方の陽乃は、実に楽しそうに笑う。
「で、その義務に反したらどうなるの?出場許可を取り消されても今更なんてこともないし。
あ、静ちゃんに言いつけちゃう?」
その正しさこそは幼さだと、箱庭論にすぎないと告げるように彼女は嘲笑う。
雪ノ下の正義は、原理原則に忠実な、本来あるべき姿を相手にも求めるものだ。つまるところ、
陽乃のようなリアリストには通じない。
ならここは、ニヒリストの俺の出番かね……。口を開こうとした、その時だ。
「そうね、いうなれば、あなたの正義、かもしれない」
「……?」
陽乃は怪訝な顔をする。
俺もなにを言わんとしているのか分からない。
「あなたは幼いころから言っていたわね、強さこそが正義だ、と。そんな大義名分のもと、ず
いぶんとわたしにくだらないことをしてくれたわね。そして今、私はあなたを倒した。
仮面ライダーとして、真に、あらゆる力が求められる決闘で」
言って、彼女はカードデッキを取り出す。
雪ノ下の姿を照らすかのように、蝙蝠のエンブレムが金色に光る。
「そんな私に、貸しを作れるのよ?これをどうとるかは、あなた次第だけど、ね」
……。二の句が続かなかった。
流石だ、それでこそお前だよ、雪ノ下。
「ふぅん……言うようになった。本当に成長したのね、雪乃ちゃん」
「前にも言ったはずよ?私は昔からこうだった。あなたが気づかなかっただけよ」
「ううん、変わったよ。誰が変えたのか変わったのか……で、どうするつもりなの?」
「場をつなぐわ」
「だから、どうやって?」
「私と姉さん、あと二人いれば何とか……。できればもう一人」
雪ノ下はそう言って、ステージ脇にある袖の楽器を見た。
「おい雪ノ下、本気か」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
635Res/1285.60 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編) -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1439474059/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice