過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
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くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/09/29(火) 13:03:22.33 ID:AuVSUEXb0
「別に、傷ついてなんか……」
「もし、君が痛みになれてても、だよ。君が傷つくのを見て、心を痛める人もいるってことも、
知るべきだと思う」
「俺にはそんな奴……」
言いかけて、やめる。確かに、少し前までの俺にはいなかった。
だが、今は違う。
雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚、そして今目の前にいる火野先生も……。
俺のそんな表情を見て、火野先生はにこりと笑った。
「話は終わりだよ、説教臭くなっちゃってごめんね?」
「いえ、ありがとうございました」
少々気まずくなって教室へと向かう。
ただ、いつまでもあの優しい瞳は見つめ続けてくれているように思えた。
帰りのホームルームは形だけのもので、すぐに終わった。
ルーム長が挨拶をすると、後は打ち上げの話で盛り上がっていた。
となれば、俺には関係ない。
さっさと帰り仕度を終え、教室を後にする。
その際に由比ヶ浜と目があったが、軽く手を振ってそのまま踵を返した。
今日で文化祭は終わったが、俺には報告書を書くという仕事がまだ残っている。
家ではすぐ寝てしまうし、ファミレスなんかに入って打ち上げの奴らと鉢合うのもお断りだ。
足は自然と、静かに集中できる場所へと向かっていた。
それにあそこには……
思った通り、彼女はそこにいた。
予想はしていたというのに、―不覚にも見とれてしまった。
立ち尽くしたままの俺に気づいて、雪ノ下はペンを置く。
「あら、ようこそ。こうない一の嫌われ者さん」
「喧嘩売ってんのか……」
「打ち上げはいかないの?」
「聞かなくてもわかることをいちいち聞くんじゃねぇよ……」
俺のその答えを聞くと、雪ノ下は楽しげにほほ笑む。
意地の悪い奴め……。
「どう?本格的に嫌われた気分は」
「ふっ、存在を認められるってのはいいもんだな」
「なんというべきか……。やっぱりあなた変ね。その弱さを肯定してしまう部分、嫌いじゃな
いけれど」
「ああ、俺も嫌いじゃない。むしろこんな俺が大好き、愛していると言ってもいいね」
「ナルシスト?気持ち悪いから近付かないでくれるかしら」
「お前の毒舌も相変わらずだな……」
「ところで、あなた何しに来たの?」
「報告書まとめるんだよ。ここは静かで集中できるしな」
「へぇ……似たようなことを考えるものね」
「選択の幅が少ないだけだ。俺とお前が似てるわけじゃねぇよ」
同じように一人でいても、俺と雪ノ下は全くの別物と言える。
だから、だからこそ俺と彼女は真の友たりえるのだろう。
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