過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)  
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32:くすっち天頂@公認ぼっち党員 ◆A9VvCAXQOewN[saga]
2015/08/18(火) 22:33:33.44 ID:L8s2Y3nU0
しかし、由比ヶ浜はなかなかに苦戦しているようだった。

「ほら、やってあげるからこっちに来なさい」

「いいの、かな」

「早く」

逡巡した由比ヶ浜の態度を雪ノ下がぶち壊す。想像はしてたけど、こいつ誰にでもこんななん

だな。

「ごごごごめんなさい!」

ごごごってお前語ゴゴゴゴーレムかよ。なかなか堅いよね。

「なんか、雪ノ下さんってお姉ちゃんみたいだね」

「私の妹がこんなできの悪いわけないけどね」

ため息をつく雪ノ下。

「ムーーー、失礼なっ!見返してやるんだからぁっ!」

いよいよ調理が始まった。由比ヶ浜の作業ペースは意外に早い。

「さて、と……」

ある程度作業が進んだところで、由比ヶ浜がインスタントコーヒーを取り出す。

「コーヒーか。確かに飲み物はあったほうがいいよな。気が利いてんじゃん」

「はあ?違うよ。これは隠し味。男子って甘いもの苦手でしょ?」

そうでもないと思うが。それに仮にそうだとしても、クッキーにコーヒーを入れるのは違うだ

ろ。

そんなこんなで、由比ヶ浜の調理方法はめちゃくちゃだった。

結論というか、今回のオチ。由比ヶ浜には圧倒的に料理のスキルが欠如していた。できるでき

ないの問題ではない。最初から存在していない。SAOで魔法を使おうとするとかそういうレ

ベル。

不器用なくせに大雑把。下手くそなくせに独創的。どこかのラノベで「下手の一念」という造

語があったが、料理は思いでどうこうなるものではない。

「理解できないわ。どうしてこんなことになるのかしら」

「……見た目はちょっと残念だけど、食べてみなきゃ分からないよねっ!」

ちょっと?これをちょっとと言うのか?なんか炭みたいになってんだけど。あと、これを食う

の?うわー、俺には無理だわー。

「そうね。味見役もいることだし」

えー、これを俺が食うんですか?ちょっとひどすぎるでしょう。これもう毒味のレベルじゃん。

しかも、最初から毒ってわかりきってるじゃん。

「ほら、早く」

俺が逡巡していると、雪ノ下がせかしてくる。

「一個だけだぞ?一個だけだからな!」

迷いながらも、俺はそれを口に入れ、咀嚼する。

「……どうだった?」

由比ヶ浜が不安そうに見つめてくる。



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