過去ログ - 仮面ライダーぼっち&ぼっちライダーディケイド(完結編)
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くすっち天頂@公認ぼっち党員
◆A9VvCAXQOewN
[saga]
2015/08/30(日) 22:55:17.49 ID:G+niSgN10
「で、でもさ。小学校の時の友達とか大事だと思うなぁ」
「別に思い出なんかいらないし。中学で他の学校から来たこと友達になればいいし」
そういった留美の眼には、一筋の希望が宿っていた。
だが、現実はそうではない。
そんな希望は、まやかしだ。
「残念だけど、そうはならないわ」
留美のうらみがましい視線にたじろぐことなく、一切つくろわずに雪ノ下は淡々と告げる。
「あなたを仲間はずれにしている子たちも同じ中学に進学するのでょう?なら、その別の学校
の子たちも一緒にあなたを仲間はずれにするわ。……敵が増えるだけよ」
少し間をおいて、彼女は告げる。
「そのくらい、あなたにはわかってるんじゃないかしら」
「……やっぱり、そうなんだ」
まるで過去の自分を哀れむかのようにして留美は続ける。
「ほんと、バカなことしてたなぁ」
「何か、あったの?」
由比ヶ浜は優しく問う。
「誰かをハブるのは何回かあって、でも、しばらくしたら終わって。マイブームみたいなもん
だったの。誰かがいい出して、なんとなくみんなそれに乗る」
くだらない。本当にくだらないが、人間という生き物がくだらない存在なのだから、それに乗
るのも仕方ないこと、なのだろう……。
「仲良かった子がハブられた時は私も距離置いちゃって」
「そしたらいつの間にか、ターゲットが私になってた。私、その子にいろいろ話しちゃってた
から……」
昨日の友は今日の敵。人の大切な秘密を、彼女達は仲良くなるためのツールとして使う。
言ってほしくないことほど言いふらされてしまう。
出川哲郎か上島龍平かなんかかよ。
信頼して相談した仲間が、敵として自分を攻撃する。
それは、悪夢以外の何物でもないだろう。
『戦わなければ生き残れない』とは、何の言葉だったか。
雪ノ下がこのライダーバトルについて教えてくれたときに言った言葉だったっけ。
確かにそうだろう。あの熾烈な戦いの中では、敵をつぶし、自分が生き残るために画策しなく
てはいけない。
だが、それはこの現実世界にもいえることじゃないのだろうか。
自分の身を守るために仲間を売って……。
「中学校でも、こんなふうになるのかな……」
呟いた彼女の声はどこまでもはかなくて。
たかが十メートルも離れていない場所での賑やかな笑い声が、遥か異郷の地での出来事のよう
に思えた。
「大丈夫かな……」
夕食を食べ終わった後、唐突に由比ヶ浜が呟く。
何のことかなどとうまでもない。鶴見留美のことだろう。
彼女が孤立していることには、皆気づいている。
あんなのは、見れば誰にだってわかる。
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