18:名無しNIPPER
2015/08/14(金) 23:34:45.89 ID:5UidY0PzO
美城常務とやらはこちらに振り向くと、黙って僕を見据え始めた。
まるで下から上まで品定めでもするかのような、その目つき。
…気に入らないなあ。
「ちょっと貴方、こっちへいらっしゃい」
「…?」
歩いていくと、彼女がまずしたこと。
「…」
美城常務は僕のスーツの皺を直し、シャツのボタンを上までかけ、ネクタイの緩みを直すと。
「それは何だ?…こんなものをつけるんじゃない」
僕の顔に手をやり、サングラスを手に取った。
そしてそれをどこからか取り出したハンカチで拭くと、僕の胸ポケットに入れた。
つけるな、ということだろう。
そしてもう一度僕の体を隅々まで見定める。
やがて一息つくと、淡々と語り出した。
「君の話は聞いている。優秀な人材は貴重だ」
「…」
「しかし、クライアントが初めに目にするのはアイドルではなく君だ。身だしなみはきちんとしてもらわねば困る」
…あ、そう…。
「…それと、レッスン会場も見ておきたい」
「…」
案内しろって事?
「…こっちですので…」
…僕より歳上か、歳下か。
分からないけど、気に入らないなあ。
「…」
…サングラスから、お香の匂い。
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