266:名無しNIPPER[sage]
2015/10/30(金) 23:39:41.19 ID:8XpDHcGaO
「あはは。7歳の時だから。それがトラウマになっててさ…でも克服したんだよ」
いつの間にかレッスンの時間を大幅に割いているけれど、まあいいか。
「その時はバンドやってて、合宿中にバンドメンバーと一緒に毎日遠泳してたんだけど…」
「…まさか、その時も?」
「うん」
「ど、どんな感じだったんですか?」
「…波が来てさ、海水飲んじゃって、体がどんどん重くなってくのを感じた」
3人が食い気味に僕の話を聞く。
そりゃ、こんな話なかなか無いだろうからね。
「死ぬって、こういうことなんだな。…そう思ったよ。そこで、僕は皆に謝ったんだ」
「謝るって…死んじゃいそうだったのに?」
あの時の事を目を瞑って思い出す。
薄暗くなっていく海上の光。
上がらなくなっていく腕。
思考を停止していく脳。
だけど不思議と恐怖は無かった。
そんな事より、謝らなければならなかったんだ。
「バンドメンバーやファン。家族や友達…皆に謝ったんだよ。こんな所でゴメンなって…」
「…ど、どうやって助かったんですか?」
「…」
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