過去ログ - 士郎「がっこうぐらしの少女達を救ってみせる」
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51: ◆lgHlBNrtCc[saga]
2015/09/02(水) 00:50:38.14 ID:u6VCnnfq0
【申し訳ない。士郎は投影出来ないってコメがあったので、出来ますよ〜ってのを言いたくて投影させました。特に拘りがあった訳でもないので強化した事にしておきます】

「……着いた」

最早見る影もなくなったショッピングモールを見つめて、そんな当たり前のコトを口にした。

「……」

――――隣で立ち尽くす勝気な少女はただ無言。
恐らくは魔導の道を知らず、当たり前の女の子として平穏を享受していた彼女達。
突然の悲劇にも拘らず、弱音一つ無しに前を見据える少女達はあまりにも辛すぎて見るに堪えない。

「――――――――――――」

ギリ、と、噛み締めた奥歯が悲鳴を上げる。
だがそれ以上に――――泣き出しそうな悲鳴を堪えているのは誰なのか。
それを勝手に想像して、今直ぐに駆け出したい衝動を抑えるのに必死だった。

――――知っている。

俺はこの悲劇を―――理不尽に奪われていく命の不幸を、十年前に経験している。

「おい、また一人で熱くなってるんじゃないだろうな」

「――――え?あ……」

怒りを剥き出しにする俺を見かねたのか、少女はクギを刺す様に告げてきた。

――――そうだ。

ここで冷静さを欠けば、救える者だって救えない――――。

「……っ!ごめん……俺、どうかしてた」

激情する一歩手前。
衛宮士郎の無駄骨が周囲を犠牲にする前に、何度も念を押す少女が最後の静止の機会を与えてくれていた。

「―――まぁ悪漢じゃないって事が分かっただけでもプラスだけどな」

正義に燃える俺の姿は彼女の信頼を得るに足りたのか、少女は安堵した様に溜息を吐き、人差し指を立てて確認の仕草を取る。

「車に友達を残してる。
ケリなら早めに付けるぞ。長引けばあいつらも危ないからな」

言われるまでもない約束に、無言の頷きで答えて見せた。

――――ここからは一刻一秒を争う。
顔も知らない誰かの為、俺を助けてくれた恩人の友人を救う為、生ける死者が跋扈する死地へと足を踏み入れる。

不思議と殺される事に対する恐怖はなかった。

――――ただ、何よりも「救えない」事実こそが重く、ただひたすらに恐ろしい。


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