過去ログ - 卯月「これが私たちの、ガンプラバトル」
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246: ◆bA3jMfAQJs[saga]
2015/11/05(木) 22:58:34.70 ID:bnzB8oDW0

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島村卯月は、自身の筐体の中で、今もまだ操縦桿を握りしめ、動悸を抑える事無く息継ぎを行っている。

試合終了のブザーは鳴り響いた。だが、自分の機体はまだ規定値を残している。

まだ終わっていない筈だ。

春香はまだ立ち上がってくる筈だ。

そう思っていた――その時だ。

「卯月っ!!」

 筐体のドアを開け放ち、筐体の中へと入ってくる、一人の少女。

そのブレザーの制服と、長い黒髪、綺麗な瞳の少女は、渋谷凛。

「り、凜ちゃん! ダメだよ、まだ試合――」

「勝ったんだ……勝ったんだよ、卯月!」

 凜は、涙を流しながら彼女の体を抱きしめて――ただ呟く。

「ありがとう……私と一緒に、戦ってくれて……勝ってくれて、ありがとう……ありがとう……! 大好き……大好き……!」

 その言葉の意味を把握するのに、少しだけ時間がかかった。

卯月は、自身を抱きしめて泣き散らかす親友を見据えた後に目を閉じ、フフッと微笑みながら彼女の背を優しく擦る。

そして、彼女に向けて言うのだ。

「……二人で、辿り付きましたよ、凜ちゃん」


 ――二人の力でこの場所へ。




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