5:名無しNIPPER
2015/08/16(日) 00:31:56.10 ID:c51rjssBO
それからはあっという間だった。
夜営地には4つの人だったモノが転がり残るは僕と傭兵一人。
彼は僕を庇いながら魔物と戦った。だが相手の動きが速すぎる。
今、彼だったモノは僕の足元にある。
という事は、だ。猿にでもわかることだが、次は僕ということになる。
悪魔がこちらに近付いてくる。
僕は逃げない。
勿論、戦うためではなく、別に怖くて動けない訳でもない。僕は心のどこかで安堵しているんだ。[ピーーー]る、やっと[ピーーー]るんだ、と。
だから僕は逃げない。
悪魔はもう目と鼻の先。
「……あっ」
あることに気付いて声を上げたと同時に悪魔の腕が僕の胸を貫いた。
悪魔が腕を抜く。
足に力が入らず僕は倒れた。
悪魔によって作られた僕の胸の空洞には、父と母の墓を建てれていなかったことに対する後悔が溢れていた。
異世界暦428年。名も無い少年はこの異世界を去った。
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