15: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:58:50.78 ID:oqOK19Xn0
 唯一の男性であっても、提督に好意を抱く者などいない。 
  
 それが、この鎮守府の艦娘たちの暗黙知だった。 
  
 それだけに先の朝潮の発言には全員が耳を疑い、 
16: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 13:59:25.88 ID:oqOK19Xn0
 ***** 
  
 淡々と時は過ぎ、怪我人は毎日のように出る中にも死者は一人も出ず、 
  
 戦場としては平和かもしれない生活が続いていた。 
17: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:00:19.18 ID:oqOK19Xn0
 戦争は激しさを増すが、我が国の有利で敵は押され、 
  
 勝利は確定となった。 
  
 そして、戦争は終わった。数年に渡る戦争が、あっけもなく終わった。 
18: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:01:47.29 ID:oqOK19Xn0
 提督は最後の任務として事務的な仕事を済ませ、鎮守府を去る。 
  
 この鎮守府のその後はまだ未定だ。 
  
 そして、鎮守府の入り口には、一人分の影。 
19: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:02:15.44 ID:oqOK19Xn0
 艦娘の社会での戸籍を決める際に、朝潮は自ら、提督に願い出た。 
  
 自分を、提督の養子にしてほしいと。 
  
 これにはさすがの提督も目を丸め、戸惑った。 
20: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:02:44.63 ID:oqOK19Xn0
 二人は鎮守府の入り口で、鎮守府に向かって敬礼をする。 
  
 戦下で共に戦い、共に生きてきたともいえる鎮守府への、最低限の礼儀だ。 
  
 長い敬礼を終え、二人は本部の寄こした車に乗った。 
21: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:03:14.87 ID:oqOK19Xn0
 いつか、艦娘たちがこの提督に敬意を抱く日はくるだろうか。 
  
 人に拘わるとは、少なからずその人の人生に干渉することである。 
  
 虹の中の人には、その虹が見えていないように、 
22: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:03:59.96 ID:oqOK19Xn0
 朝潮は提督の、影の薄い思いやりに気づき、惹かれ、 
  
 提督との養子縁組を望んだ。 
  
 それは、朝潮がそういう思いやりを持っているからであり、 
23:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 14:05:01.19 ID:Oa6pQuYkO
 乙でち 
24: ◆zPnN5fOydI[saga]
2015/08/17(月) 14:05:34.54 ID:oqOK19Xn0
 もっと長いものを練って書こうと思っていたのですが、短編になりました。 
  
 お目汚し失礼。自己満足のための投稿でした 
25:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 14:07:32.57 ID:erDRI7ifo
 おつおつ 
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