265: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/12/21(月) 00:57:06.67 ID:ysYD3/IG0
こうして仕事をするのもあと何回だろう。今後、進級して活動がどうなるかはわからない。受験勉強だってある。この依頼人を入れても、もしかしたらあと数回もないかもしれない。そう考えたら、急に寂寥感が湧いた。
「どうぞ」
からりと扉が開いて、名も知らぬ生徒がきょろきょろと教室内を見渡す。
「ようこそ奉仕部へ。歓迎するわ」
春は一般的に出会いと、そして別れの季節と言われる。
来年の今頃は、少なくとも卒業してここにはいない。だから、せめて後悔のないようにしようと思う。
小さな決意を持って、うららかな陽差しが差しこむ窓の先を見つめる。
綺麗な一筋の飛行機雲が、空の彼方へ続いていた。
<了>
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