過去ログ - 八幡「想いを返す日」
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6: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/17(月) 22:39:37.62 ID:17bnsS7c0

「期待してるよ」

にこやかな笑顔でそんなことを言い残して、小町はするりと体をドアの隙間に滑り込ませ去っていった。リビングと廊下を隔てる、今まさに閉められたばかりの扉をただ見つめる。

「なにを期待してるんだか」

独り言と溜息がほぼ同時に漏れた。正体不明の期待は、ただ重い。
ちらと、ソファに置いてけぼりをくらった小町の読んでいた雑誌が目に入る。
煌びやかな目を引く表紙には、今月号の謳い文句なのだろう。ひときわ大きな文字が配列されていた。それを見て、再びの溜息。小町に倣って、俺もリビングを出ることにした。


まるで、そこから目を背けるように。




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