過去ログ - 提督「久しぶりに建造するか」【エロ注意】
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◆7ekwL0V8mo
[saga]
2015/08/18(火) 16:14:41.22 ID:OjGovUOG0
小さな泣き声もいつまでもは続かない。次第に小さくなっていき、途切れ途切れになり、最後に手で目元を拭うと少女はぎこちない笑顔を見せる。
泣き虫でも芯は強い子のようで、俺も内心胸を撫で下ろす。戦場に出る以上、この程度で折れてしまう子では間違いなく逃げ出すか、轟沈してしまうだろう。
提督「ではもう聞いているだろうけど、最後の説明と確認をさせてもらうよ」
「はい……よろしくお願いするのです」
提督「まず金額に関してだが、この書類の通りの額面だ。これは御両親ではなく君個人の口座が作られて振り込まれるから、仕送りするのなら毎月休日に事務で申請するように」
雷「やり方は私が教えるから、心配しないでね」
二人並んで座っていると姉妹なのだが、振る舞いはまるで母と娘のようだ。実年齢的には、まあそっちの方が近いのかもしれないが。
提督「次に身体について。雷、お姉さんを見てわかるだろうけど艦娘でいる間、身体は成長しない」
艦娘になる女性が絶えない理由の一つでもある。もし三十年艦娘でいれば、実年齢が五十歳で退役しても二十歳の見た目のまま。寿命自体は変わらないから、本当に若さを保っていられるわけだ。
もっともそれが良い事かは本人次第。ともすれば浦島太郎になる、諸刃の剣だ。
提督「次。艦娘は実際に砲撃の打ち合いになるから轟沈……つまり死の危険が常に付きまとう。最初に応急修理要員が支給されるが、二度目はない」
ここで顔が強張るのは、少女よりむしろ雷だった。無理も無い。敵にやられた時に応急修理のおかげで沈まなくても、痛みと恐怖の記憶は消えやしない。
心が折れて逃げ出す艦娘や勇敢に立ち上がって轟沈した艦娘を見てきた雷は、嫌でも意識してしまうはず。
提督「そして……今から君の子宮に、この艤装受容体を挿れることになる」
「っ、は、はい……」
途端に赤く染まる顔は、これまでで一番不安そうな色に染まっている。まあ、少女くらいの歳ならそんなものだろう。受容体自体は極々小さなものだが、異物であることは明らかなのだから。
提督「ここにいる以上、受容体とは適合できるはずだ。ただ受容体の影響で、艦娘でいる間は妊娠することはできない。以上が最後の説明だ……では、艦娘になるのならここにサインを」
薄い紙っぺら一枚だ。だが、それが少女の人生を普通ではないものにしてしまう。ペンを手に取りながら微動だにしない少女も分かっているに違いない。
それでも。それでも隣に姉がいることが、少女の背中を押したようだ。自分を捨てたような両親ではなく、優しい姉の隣にいる事を選んだ。そういうことだろう。
提督「ありがとう。これで君は艦娘になり、俺達と苦楽を共にする仲間になる……よろしく頼むよ」
「は、はいっ! よろしくお願いしますっ!」
差し出した手に触れた少女の手は、雷の手とはほんの少し違い、柔らかすぎる気がした。
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