過去ログ - 柚「そっとあなたに伝えたいから」
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7: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 21:58:01.37 ID:MJAenSgn0
しばらく行くと、歩道の端でしゃがみこんだ人がひとり、視界に入った。
この都会でもやけに目立つ赤いパーカーを頭まですっぽりと被り、何かをじっと見ている。
気になって近づいてみると、その横顔から察するに女の子で、綺麗な顔立ちをしていた。
8: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:00:57.22 ID:MJAenSgn0
「あ、あの」
思わず声をかけたけど、どうしよう、何も考えていない。
こう言ったら次はこうしようと頭の中で描いていたいものはいつの間にか消えて、そこにはぽっかりと空白があるだけだった。
9: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:02:48.62 ID:MJAenSgn0
「あっ」
手に持っていた手帳と財布が地面に落下すると、そこから名刺入れが飛び出してきた。
どうやら手帳の間に隠れていたようで、無事発見はできたけど、落下の衝撃で勢いよく中身が散らばってしまった。
10: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:03:31.65 ID:MJAenSgn0
「へー、新人サンなんだねー」
近くにあるファミレスに入り、僕は熱いコーヒーを、彼女はオレンジジュースを飲んでいる。
11: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:06:11.15 ID:MJAenSgn0
名前は喜多見柚。
学生。
実家は埼玉なのに、何故県外にいたのかと聞くと、何か面白いことを探していたらいつの間か東京に出てきてしまい、近くをウロウロしていたとのこと。
無計画というか、その迂闊さにさっき出会ったばかりの僕でも不安になってくる。
12: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:10:34.78 ID:MJAenSgn0
「……いいよ。なるよ。なりたいっ!」
「え?」
13: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:11:35.96 ID:MJAenSgn0
「んー、ごちそうさま♪ もうお腹いっぱいカナ〜?」
結局パフェを食べる前にハンバーグ定食を頼んだ彼女は、甘いものは別腹と言って、見ているだけで胃もたれしそうなパフェをペロリと胃に収めた。
14: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:18:55.71 ID:MJAenSgn0
「光り輝く雪のシャワーだねっ」
「詩人だね」
15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:22:28.38 ID:MJAenSgn0
「あ、りがと……」
「ど、どういたしまして」
16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/08/22(土) 22:23:40.68 ID:MJAenSgn0
柚「見つめ合う2人。その間に言葉なんていらなかった。ゆっくりとお互い歩み寄り、そして……」
モバP(※以下表記P)「ちょっと待って」
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