過去ログ - グリP「……キス友?」
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23:名無しNIPPER[sage]
2015/08/23(日) 10:37:33.26 ID:r9pzBzvVo
ソファにすわる茜の両肩に手を這わせた、手のひらに収まる肩甲骨がじわりと温かい。あんなにも普段は活動的な茜の骨格が想像以上に細い。彼女は借りてきた猫のように静まっている。――そう、華奢な女子を相手にしている。ひとしれず動悸がして心地は悪い。ジェットコースターを下るような胸の圧迫感。……ふいに茜は不満気な表情でパタリとソファに倒れた。自然と彼女に覆いかぶさる形となる。左腕を置いて身体を支え、右手が茜の腹部に触れた。「んっ……」と彼女の声が漏れる。故意はない。触れるつもりはなかった、唇以外は。

交差する視線、接近と共に熱を帯びる。彼女の頬、熱気は絹のような肌の裏で灯る。それを確かめるように右手が伸びた。茜の横顔を親指がなぞる。もぞもぞと茜の口元が動いている、くすぐったそうだ。流れるように右手が彼女の後頭部を目指した。どこまでも故意はなかった。あるいは本能かもしれない。茜の頭を撫でる。

『なでなで』は日頃から慣れ親しんだ行為だったが、今回ばっかりは反応が違う。茜はバツが悪そうに小刻みに頭を揺らし、表情を少しだけ歪めた。そのうち手のひらが彼女の頭皮を往復する度に「あっ……あっ……」と吐息が聞こえてきた。そういった楽器みたい、いつの間にか胸の圧迫感が消えている。打って変わって、腹の裏がゾクゾクと蠢き始めた。

身体を支える腕を入れ替え、すかさず空いた左手で茜の首筋をソフトに触れた。「にゃー」と鳴いて、身を捩らせる姿は猫そのもの。顎の下に指を二本差し込んでみると、いよいよ茜に睨まれた。湿っぽい瞳が鋭く光って、その視線は逸らせない。物欲しげな表情だ。なでなでやプリンを要求する際に見られる表情、しかし艶っぽさやが追加されるだけで威力は桁違い。飛びつきたい衝動を抑えて深呼吸、それなりに息が乱れている。


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