18:名無しNIPPER
2015/08/28(金) 23:36:35.83 ID:CWbj+bz00
2人が出て行き、一人きりになった保健室。とても静かだ。消毒の匂いと、頬に当てた保冷剤の冷たさが少しだけ寂しさを感じさせる。
「はぁ、真姫ちゃんは今頃ピアノでも引いているのかなぁ」
一人きりだとやっぱりつまらない。
保冷剤を当てたまま音楽室にいってもいいのだけど、さっきのことが気まずく、難しいことだった。
真姫ちゃんもきっとそうだったから「痛みが引いたら」と私にいったのだと思う。
(いたずらしなかったら今頃楽しく真姫ちゃんのピアノを隣で聞いていたのかなぁ)
そんなことを思い、少々反省する。
なぜ、あんなことをしたのかといえばただ単純に真姫ちゃんにいたずらをしたかったと理由もある。けれど、それよりも真姫ちゃんの恥ずかしがる表情を見たいという自分でもわけのわからない感情がその行動に至らしめたのである。
そして、その目的だった真姫ちゃんの恥じらい顏はとても可愛かった。同性なのにドキッとしてしまうくらいに。
きっと、希ちゃんでもあの表情は見たことないだろうと思う。
そして、そう思うと自分だけという特別感を感じてニヤニヤしてしまう。
(あれ?もしかして、今行けば真姫ちゃんが恥じらいまきちゃんのまま演奏する姿が見れるんじゃ…)
失念だった。気まずさにとらわれて
より大きなものを逃した気分だ。
逃した獲物は大きいけれど今からでも遅くはない。より一刻も早く真姫ちゃんの所に行かなければならない。
そんな思いを胸に、私は保健室を後にした。
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