過去ログ - モバP「事務所に媚薬が蔓延してるだって?」
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10: ◆Freege5emM[saga]
2015/08/24(月) 02:25:57.13 ID:KeG1z5Blo


●【渋谷凛の場合】


美城プロダクションのアイドル部門で、成長株を少人数選抜して、
重点的な売り込むユニットをつくるプロジェクトが立ち上がった。

その話に続けて――『成長株』とやらに、いつの間にか私が推薦されて、
しかも通ったということを聞かされた。

プロデューサーって、実はデキる人だったんだなぁ、なんて私は他人事のように思った。



出会って間もない頃、私はプロデューサーの手腕を疑っていた。
だって――こんなに愛想の無い私を、アイドルにスカウトするなんて。笑っちゃうよね。

でも、プロデューサーは本気だった。

プロデューサーは私を熱心に売り込んでくれた。
私の希望を聞きつつも、幅広く仕事を取ってきてくれた。

レッスンも甘くはなく、それでいて無理が出ないサジ加減で組んでくれて、
つい最近まで素人だった私が、いつの間にかステージを切り回せるようになっていた。

私が伸び悩んだ時、親身に相談へ乗ってくれた。
私が不安になった時、それを少しでも軽くするため、何くれとなく動いてくれた。
私が間違った時、遠慮呵責無しに叱ってくれた。



プロデューサーにスカウトされて、私は変わっていった。
いつしか、私もプロデューサーにアテられて、
本気でアイドルになろう――トップを目指そう、と思い始めていた。

私とプロデューサーにとって、
今回のプロジェクトはその大きな一歩となる――その日、私はそう確信していた。



だから、その次の日、プロダクションの地下駐車場に止めた車のなかで、
プロデューサーに抱きすくめられると、私はどう反応したらわからなくて、
馬鹿みたいにぼんやりしていた。




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