過去ログ - モバP「事務所に媚薬が蔓延してるだって?」
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11: ◆Freege5emM[saga]
2015/08/24(月) 02:27:15.35 ID:KeG1z5Blo



私より頭半分ぐらい背の高いプロデューサーは、私の頭上で喘ぎ喘ぎ、声を絞りだす。
『凛のことが、好きだ……ほかの誰にも渡したくないぐらい』――何さ、ソレ。



キス、されちゃった。さっきまで飲んでた、甘ったるいミルクティーの味がする。
ホント何なの、この体勢。

私にとってプロデューサーは、私が進むべき道を示してくれる……シンデレラの魔法使い。
アイドル活動について、肩肘張らず意見をぶつけ合い、また信頼できる仲間。
だから王子様というわけじゃない――まぁ、私のなかで王子様が座る席は、空いてるけど。

もしかして、今までプロデューサーが私のことを気にかけてくれたのは、
私に舞踏会への魔法をかけていたんじゃなくて、子供を誘い込むお菓子の家だったの?

それじゃシンデレラじゃなくてヘンゼルとグレーテルだよ。



ぼんやりとしたまま、助手席に転がっている私の体を、
運転席からプロデューサーが左手を伸ばして開かせる。
車の小さな照明と、地下駐車場の誘導灯の光で、私は下着を露わにされる。

濡れてた。何でだろう。
知識としては知ってたけど、今まで濡らしたことなんかなかったのに。

プロデューサーの指で下着をなでられると、私の体の重心から、
ぴりぴりとした感覚が波紋のように広がる。
足が痺れた時のあれをもっとマイルドにして、深く染み入るような感じ。



プロデューサーが、窮屈な車の中で、クラクションに触れないよう気をつけながら私に近づく。
助手席がリクライニングされて、私は傾いだ背もたれに寝かされる。

プロデューサーが私に覆いかぶさる。
『凛がシンデレラになる前に、凛を俺のものにしたい』――何、それ。



プロデューサーは、もう黙ってしまった。ただ引き攣った笑みを浮かべて、私を組み敷いた。
ロクに動けない助手席を、プロデューサーの細かく途切れがちな上下運動がグラグラ揺らす。

それに合わせて、私の体の感覚も、痛みとか痺れとか、色々なものがごちゃ混ぜにされて散らばっていく。
やっぱりこんなの、絶対普通じゃない。私の体、おかしくなってる。

私の体が、プロデューサーに磔にされてる。
となれば、アレは……さしづめ、メシアに打ち込まれたクギってことかな。

ああ、こんなこと考えてたら、クラリスさんに悪いや。



何か、ヘンな気分がする。
プロデューサーがギシギシとかけてくる重さや、痛みや、熱さは、私の体からきっちり感じられるのに、
目だけが幽体離脱して、私とプロデューサーの体を見下ろしてる。

まるで、私じゃない別人が犯されてるみたい。



ああ、そうだよね。
私のプロデューサーが、私にこんなことするはずないよね。
だって、プロデューサーは、私に……シンデレラになれって、言ってくれたもの。
お互い、それを裏切ったことなんか一度もなかったもの。



やがて、プロデューサーが体を硬直させたかと思うと、大きな息を吐きながら私に寄りかかるのが見えた。
もう、腰を動かしたりしないのかな。終わったのかな。

自分の処女が、信頼していた仕事仲間に奪われたのに、傍から見てると、
これはなんだか失笑が湧いて来るシチュエーションで、私は笑いをこらえ切れなかった。

私の顔は、目尻とくちびるだけが緩んだ中途半端な笑みをしていた。



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