過去ログ - 勇者「やあ、ちょっと邪魔するよ」ガチャッ 女魔王「ええ、どうぞ。くつろいでいって」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 00:49:57.86 ID:QpCahtdOo
【魔王城 魔王の部屋】
勇者「すまないね。それなら少しの間だけお言葉に甘えさせてもらうから」
魔王「お礼ならいいわ。丁度、話し相手が欲しかったところだから。良かったら、あなたもお酒を飲む?」
勇者「いや、その好意はとても嬉しいけど、どうぞお構い無く」
魔王「そう? 北西の国のウイスキーっていうお酒を知ってるかしら? それのいいのが丁度あるのに」
勇者「知ってるよ。あれはドライフルーツとよく合うと思う。でも、今はいらない。本当にすまないね」
魔王「そう。残念ね。こんなに美味しいのに」
魔王「」スッ、トポトポ (ウイスキーをグラスに注ぐ)
魔王「あいにくドライフルーツはないけど、代わりにチーズならあるの。こちらはどうかしら?」
勇者「それは少しだけもらうよ。ありがとう」
魔王「どういたしまして」
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2
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 00:53:14.50 ID:QpCahtdOo
勇者「それにしても、この部屋はいい部屋だね。広いし天井も高いから落ち着く。それに、家具のセンスがいい。特にそこの椅子とか」
魔王「オーダーメイドなのよ。部下に言って作らせたの。手直しを二回ほど、やり直しを三回ほどさせて作らせた特注品。私のお気に入り」
勇者「道理で。その椅子だけ、際立ってるからね。本当にいいものだと思う」
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 00:56:36.54 ID:QpCahtdOo
魔王「飲み物は、生憎お酒以外だと水ぐらいね。それでもいいなら出すけど、どうする?」
勇者「なら、氷水で。丁度、喉が乾いていたところだし」
魔王「それならすぐ出すわ。少し待っていて」
以下略
4
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:00:19.74 ID:QpCahtdOo
勇者「ところで、ひょっとしたらもう気付いているかもしれないけど、僕は勇者なんだ」
魔王「そうね。最初からそんな感じがしてたわ」
勇者「ここに来たのも、実は魔王を倒す為に来たんだ。君はこの話について興味があるかい? あれば話すけど」
以下略
5
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:07:41.48 ID:QpCahtdOo
魔王「あなたは夜景とか好き? 私は好きだけど。ほぼ毎晩のように私はこの部屋から眺めているわ。とても綺麗なのよ。今、あなたに見せられないのが残念なぐらい」
勇者「人並みにはね。でも、多分、君ほど好きではないと思うよ。カナッペの次ぐらいかな」
魔王「夜景は食べられないし、手で触れる事も出来ないものね。手を伸ばしても永久に届かないし」
以下略
6
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:11:13.03 ID:QpCahtdOo
勇者「君は平和には興味はない?」
魔王「ないわね。それが魔族というものよ。対立すれば、兄弟や親子で殺しあう事もそんなに珍しくないもの。人間はそんな事はないの?」
勇者「ないと言えば嘘になるかな。でも、僕は親や兄弟を大事に思ってる。もっとも、家族は全員殺されて今はいないけど」
以下略
7
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:14:59.85 ID:QpCahtdOo
魔王「家族が殺されたのは、やっぱり私たち魔族によって?」
勇者「そうだね。僕が勇者だったかららしいよ」
魔王「運命の女神は意地悪ね。あなたが勇者でなければ、家族が殺される事はなかったかもしれないのに」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:18:22.74 ID:QpCahtdOo
魔王「あるいは、そう仕向けていたとしたら、あなたはどうする?」
勇者「仕向けるっていうのは?」
魔王「復讐は強い動機でしょ? あなたが魔王を憎むように、女神は家族が殺されるのを黙って見ていた……。有り得る話だとは思わない?」
以下略
9
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:22:46.53 ID:QpCahtdOo
魔王「私が魔王だって事は、あなたはもう気が付いてるのかしら?」
勇者「部屋に入った時からね。雰囲気ですぐにわかったよ」
魔王「やっぱりあなたは私を殺すのかしらね?」
以下略
10
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:26:07.78 ID:QpCahtdOo
魔王「そう。でも、私はあなたの事を知っているわよ。勇者で復讐心があって、そしてカナッペが好き。人を知るなんてそれだけで十分じゃない」
勇者「そうかもしれないね」
魔王「氷水、おかわりする?」
以下略
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