過去ログ - 勇者「やあ、ちょっと邪魔するよ」ガチャッ 女魔王「ええ、どうぞ。くつろいでいって」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 00:56:36.54 ID:QpCahtdOo
魔王「飲み物は、生憎お酒以外だと水ぐらいね。それでもいいなら出すけど、どうする?」
勇者「なら、氷水で。丁度、喉が乾いていたところだし」
魔王「それならすぐ出すわ。少し待っていて」
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:00:19.74 ID:QpCahtdOo
勇者「ところで、ひょっとしたらもう気付いているかもしれないけど、僕は勇者なんだ」
魔王「そうね。最初からそんな感じがしてたわ」
勇者「ここに来たのも、実は魔王を倒す為に来たんだ。君はこの話について興味があるかい? あれば話すけど」
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:07:41.48 ID:QpCahtdOo
魔王「あなたは夜景とか好き? 私は好きだけど。ほぼ毎晩のように私はこの部屋から眺めているわ。とても綺麗なのよ。今、あなたに見せられないのが残念なぐらい」
勇者「人並みにはね。でも、多分、君ほど好きではないと思うよ。カナッペの次ぐらいかな」
魔王「夜景は食べられないし、手で触れる事も出来ないものね。手を伸ばしても永久に届かないし」
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:11:13.03 ID:QpCahtdOo
勇者「君は平和には興味はない?」
魔王「ないわね。それが魔族というものよ。対立すれば、兄弟や親子で殺しあう事もそんなに珍しくないもの。人間はそんな事はないの?」
勇者「ないと言えば嘘になるかな。でも、僕は親や兄弟を大事に思ってる。もっとも、家族は全員殺されて今はいないけど」
以下略
7
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:14:59.85 ID:QpCahtdOo
魔王「家族が殺されたのは、やっぱり私たち魔族によって?」
勇者「そうだね。僕が勇者だったかららしいよ」
魔王「運命の女神は意地悪ね。あなたが勇者でなければ、家族が殺される事はなかったかもしれないのに」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:18:22.74 ID:QpCahtdOo
魔王「あるいは、そう仕向けていたとしたら、あなたはどうする?」
勇者「仕向けるっていうのは?」
魔王「復讐は強い動機でしょ? あなたが魔王を憎むように、女神は家族が殺されるのを黙って見ていた……。有り得る話だとは思わない?」
以下略
9
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:22:46.53 ID:QpCahtdOo
魔王「私が魔王だって事は、あなたはもう気が付いてるのかしら?」
勇者「部屋に入った時からね。雰囲気ですぐにわかったよ」
魔王「やっぱりあなたは私を殺すのかしらね?」
以下略
10
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:26:07.78 ID:QpCahtdOo
魔王「そう。でも、私はあなたの事を知っているわよ。勇者で復讐心があって、そしてカナッペが好き。人を知るなんてそれだけで十分じゃない」
勇者「そうかもしれないね」
魔王「氷水、おかわりする?」
以下略
11
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:29:19.99 ID:QpCahtdOo
勇者「どうぞ」
魔王「確かにいい切れ味してるわね。綺麗に二等分になってるし、お皿には傷一つついてない」
勇者「史上初かもしれないけどね。伝説の剣でチーズを分けた勇者っていうのは」
以下略
12
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/08/27(木) 01:32:54.09 ID:QpCahtdOo
魔王「この部屋の外はもう潰滅してるのかしら?」
勇者「してるよ。王国連合軍の精鋭部隊が蜂の群れのように突入してるからね。今は残党狩りと財宝探しの真っ最中だと思う。そこら中、血の水溜まりで溢れてる」
魔王「窓を全部閉めておいて正解だったわね。チーズの匂いが血の匂いに変わってしまいそうだもの」
以下略
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