過去ログ - エフ博士「平行世界へ行く装置」
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/08/27(木) 14:35:13.49 ID:znDtRmkj0
 とある街に一人の男が住んでいた。
 生まれも育ちも平凡な男だったが、近所に住むエフ博士という有名な研究者と特別親しかった。
 ある日、男はエフ博士に呼び出されて博士の研究所にやって来た。

「急に呼び出してすまなかったね。実は私は平行世界を旅する装置の発明に成功したんだ。そこで、君にも実際に体験してもらおうと思ってね」

「平行世界ですか?」

「そうだ。例えば君が大富豪の家に生まれた世界、女性にモテモテの世界、あるいは大国の王様になっている世界でもいい。理論上はどんな世界だって体験できる」

「僕も詳しくはないのですが、平行世界というのはそんなに色々なものがあるのですか?」

「正確には新たに平行世界を作り出し、そこに行くという話なんだ。だからこそ装置の設定次第で先ほどあらゆる世界を実現できるのだ」

「なるほど」

 自分の理想通りの世界を体験できる。
 それは平凡な人生を生きてきた男にとっては非常に魅力的な言葉だったが、あまりに都合のいい話に少し不安にもなった。


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