29: ◆.s5ziYqd8k[saga]
2015/08/29(土) 23:44:19.18 ID:CUVui+Kv0
「頼むよリアネア……お願いだから、僕と一緒に来てくれ……」
男らしくないのは分かってる。けれど、僕にはリアネアがいないと、ダメなんだ。
「僕以外の男に抱かれないでくれッ! 僕以外に、笑いかけないでくれよぉっ!」
まるで子供みたいだ。でも、僕にはこれしかできない。
いつもの笑顔で笑いかけるリアネアに。青い眼差しの中に、失望の色を滲ませる彼女に。
今なら分かる。リアネアは天真爛漫な魔性だ。
『アイツは魔女だよ。ハマらないほうが身のためだぜ』
彼女を紹介してくれた時の知り合いの言葉が、頭の中にぐるぐると回る。
「どうか……僕を、置いていかないで……」
泣き崩れる僕をリアネアは一瞥もせず。最後に言い残して帰ってしまった。
『独り占めしたいなら無理だよ、私は猫だからねぇ。あ、シたくなったら家に来ていいよ』
くすくすと、いつもの笑い声に僕の心は削られる。
魔女に捕えられた心は甘く舐られ、噛み千切られて擦り減っていくのだろう。
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