101: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/28(金) 01:05:13.70 ID:axiebuOio
雪風の電探は完全に死んでいた。
一万五千などという、肉眼でも捉えられる位置にまで迫った敵編隊を捉えることができなかったのだから。
使い物にならないレーダースコープを放り投げると、お守り代わりとも言える大きな双眼鏡を手に、遠くの空を覗き込む。
双眼鏡越しでも、まだそれが何かは判別できない。
米粒ほどの大きさの黒い点が、空を覆い尽くしているように見えるだけだ。
後方の敵機――おそらく第三波が大きく迂回してきた。
敵機の機銃によるダメージで覆域が大幅に狭まってしまった電探では、その動きを捉えることができなかっただけだろう。
ここまで来て、とんでもない不幸に巡り合ったと思う。
むしろ、今までの幸運のツケかもしれない。
ただ、今度こそ仲間と沈めるのなら、それはそれで幸運なのかもしれない。
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