11: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:21:28.69 ID:q3rkBOvNo
そのあとには、追撃、反転再攻撃、撤退――用意された選択肢は少ない。
そのどれを選ぶか。決めるのはその場にいる者に任せるのが最適だ。
12: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:22:14.52 ID:q3rkBOvNo
さしたる根拠もなく矢矧がそう思えてしまうのは、雪風がいつもどこからか掴んでくる幸運のせいだろう。
「司令部及び、支援艦隊に高速暗号通信。『〇二四七、矢矧隊、突撃ヲ開始ス。天地神明ニ作戦完遂ヲ誓フ』」
13: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:22:59.85 ID:q3rkBOvNo
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突入点を数分過ぎたところで、湾内がにわかに慌ただしくなる。
14: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:23:39.74 ID:q3rkBOvNo
だからこそ、臨機の才が求められる。
「長波より各艦、無線封止解除。奴らに気づかれた。駆逐艦が動くぞ」
15: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:24:17.18 ID:q3rkBOvNo
了解という二人の声を背に、再び双眼鏡で湾内を確認する。
輸送艦の動きはまだない。
16: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:25:20.20 ID:q3rkBOvNo
手に魚雷発射管を持つ朝潮型や、脚部に装着した夕雲型には不要な動きだが、背部に発射管を装着した天津風にはどうしても必要になる。
「長波了解。直後に右三点で突入してくれるか。天津風の尻あたりをこっちのが通るようにする。ただし、合図をくれないと保証はできないぞ」
17: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:26:02.00 ID:q3rkBOvNo
長波の下品な軽口。
後続の二人も、二分隊もあまりの下品さに苦笑いするしかない。
18: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:26:39.35 ID:q3rkBOvNo
圧縮空気が解放される音と共に、魚雷が次々と海中へ放たれていく。
合計十二本の槍が、扇状に広がって海中を一直線につき進む。
19: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:27:08.12 ID:q3rkBOvNo
全員が脚部に発射管を装着しているために、それだけで槍衾を作ることができる。
「発射後は右一点逐次回頭! 単縦!」
20: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:27:44.88 ID:q3rkBOvNo
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
赤々と燃え上がる業火が見える。
21: ◆tF/D/g0jpg[saga]
2015/08/27(木) 22:28:18.20 ID:q3rkBOvNo
それで何度痛い目を見たことか。
「はいっ! 雪風、周辺警戒を厳としますっ!」
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