過去ログ - モバP「駄目な男と」佐藤心「駄目な女と」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:48:57.44 ID:69uGc5Zw0
話が逸れましたね。で、心さんとそんなやりとりを続けているうちに、心さんもまともに学校に行っていない事を知ります。理由は学校が詰まらないだとか、そんな感じでした。『学校行くよりお前とこうしてた方が楽しい』って言われた時はなんだが嬉しくなったのを良く覚えています。

そうやって何度か会ってた後、そいつも進路を決める時期がきました。もちろんサボり気味なそいつの内申点が良いなんてことはありません。勉強もほどほどにしかできませんでしたし。

先生にも親にも進路どうするって散々言われた辟易してた学校の帰り道でした。その日は晴れてたんですが、なんとなく駅前に足を運んでみたんですよ。心さんと会うのは決まって雨の日だったので、ほんとうになんとなくだったんですが。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:49:45.05 ID:69uGc5Zw0
その短かった進路相談で心さんは『じゃあ私が通ってる学校来い。私は17だから1年しか一緒に通えないけど、一緒に登校しよう』、『それまで私も学校辞めずにお前の事待ってるから』って言ってくれたんです。何にも決まってなかったそいつに目標が出来た瞬間でした。

まぁ、高校名聞いたら割と有名な進学校で、当時のそいつの学力じゃ逆立ちしたって入れなかったんですけどね。でもそれからのそいつは頑張りました。夏休み前の成績じゃ話にならなかったのを合格まで持っていくんですから。

受験勉強中はあんまり心さんとは会わなかったんですが、というか心さんもそいつもサボるのやめたんで会えなかったんですけど。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:50:26.17 ID:69uGc5Zw0
心さんは高校卒業後短大に行くのが決まっていたんで、いつものファミレスで合格祝いと卒業祝いを兼ねて一緒にご飯食べてたんですよ。そこで心さんからあるものを貰いました。なんだかわかります? ボタンとかじゃないです。

 まぁ、分からないと思うので、答え言っちゃいますけど、鍵だったんです。ええ、鍵です。なんでも心さんは短大では一人暮らしをするらしく、その心さんの家の鍵を貰ったんです。『まぁ……これからもよろしく……』とか言いながら。

心さんとこんな風に毎日会えるのはその一年間だけだと思ってたので、思わぬプレゼントに大喜びですよ。そいつが高校卒業するまでほぼ毎日心さんの家に遊びに行ってましたね。毎日毎日晩飯作ってもらって、一緒に食べた後、そいつは帰宅って流れでした。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:51:21.27 ID:69uGc5Zw0
泊まりはないです、と言えれば良かったんですが、一度だけ。サークルの新歓コンパで未成年のくせして酒飲まされてぐでんぐでんになったことがありまして、一人で歩けなくなっちゃった事があったんです。サークルの先輩達も酔いつぶれているそいつをどうするか悩んでたらしいんですが、タイミングよくそいつの携帯に着信が入りました。ええ、心さんからでした。

 新歓コンパが終わったら連絡するって約束してたんですが、日付変わっても連絡来なかったから心配になったそうです。

 酔ってまともに会話できなかったそいつに代わって先輩が電話に出て、心さんに状況を説明したらなんと心さんが迎えに来てくれたんです。その場に居た先輩も同輩も心さんを見て騒然となったらしいですが、詳しくは知らないです。
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17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:52:23.27 ID:69uGc5Zw0
そうやって心さんとの生活が同期や先輩にバレたんですが、姉って誤魔化したおかげでそこまで大きな問題にはならず、そいつには超美人の姉が居るって程度でした。何度も心さんを紹介してくれって言われましたが、全部断ってました。面倒ですし。

 そんなこんな大学生活をなんとなく満喫してたある日です。四回生になったそいつがその年の新歓コンパに参加してた時です。新入生が無理して酒飲んじゃったんですよ。飲ませてなんかないですよ、もちろん。

 で、案の定酔いつぶれちまったのを、そいつの友人が見てあの時のお前にそっくりだよなって話を振ってきたんです。まぁ、そいつにはその時の記憶はほとんどないので、ああこんなんだったのかって程度でしたが。
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18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:53:06.00 ID:69uGc5Zw0
『これが姉貴じゃなくて、彼女とか女友達の家で、とかだったらお前完全にヒモだよなー』という言葉に。ちひろさんはすでにそいつをヒモ認定してたと思いますが、本人はその時言われるまでまったく思ってなかったんです。まさかヒモだったなんて。

 ええ……軽蔑するのは仕方ないと思います。俺だってどうかしてると思いますから、そんな奴。

 ですが、その言葉を聞いたそいつはあの高校受験の時のようにやる気を出し始めました。まず、心さんの家に行く頻度を徐々にですが減らしたんです。急に来なくなったそいつに心さんは不思議に思ってたみたいですが、就活がって言ったら追求はしてきませんでした。
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:53:45.39 ID:69uGc5Zw0
なかなか内定が出なくて苦しんでたそいつにとって内定が出た事は非常に喜ばしかったことです。思わず心さんに報告に向かいそうになってましたが、心さん離れをするって決めてなんとか半年頑張ったのにここで会いに行ったら意味がないなんて思っちゃったんですよ。

 だから電話での報告だけにしときました。どこに内定が出たかは言わず、東京で就職するってだけ伝えて。あの時の心さんがどんな事考えてたかは分かりませんが、喜んでくれていたと思います。

 そんなこんなで大学も卒業して、上京する日でした。駅に行くと不貞腐れた美人が立ってたんです。『私に挨拶も無しに行くのか』って出会った頃くらいの目つきの悪さで言うんですからそれはもう怖かったです。
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:54:47.66 ID:69uGc5Zw0
P「その後のそいつはヒモだった過去から逃れるように携帯を変え、地元とも連絡を絶って逃げるように生活してるらしいですよ」

P「こんなもんですね。長い割に面白くない話で申し訳ない」

 軽く頭を下げつつちひろさんを見やる。何か言いたげな雰囲気でマグカップをいじっているちひろさんがそこには居た。
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21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:55:40.58 ID:69uGc5Zw0
心「ふざっけんなよ!」

 そんな時怒号と共に心さんが部屋に入ってきた。怒り狂っているのは火を見るより明らかだ。

心「私がどんな気持ちでお前と一緒に居たかわかってんのか! 勝手な憶測で私を語るんじゃねぇ!」
以下略



22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:56:25.64 ID:69uGc5Zw0
心「……」

 心さんはむすっとした表情でこちらをにらみつけている。逃げ出したくなってしまうが、そんなことをしたらこれは本気で殺されかねない。

P「えっと……聞いてました?」
以下略



23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:57:21.22 ID:69uGc5Zw0
心「だから、お前が私の事を女として見てくれないのはずっと前から知ってた」

心「だから、うちに来てごはん食べるだけの関係でいいやって思ってた。もし、Pに彼女出来たら諦めるつもりだった」

 心さんの口から衝撃的な事実が聞かされる。女としてって……。
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