27: ◆4JIramcI2o[sage saga]
2015/08/30(日) 13:36:31.92 ID:AEuje2rO0
「あら、お熱いわねぇ」
俺でもいろはでもない第三者の声が響く。
「お、おふくろっ!?」
「わっ…!」
「ごめんなさい、お邪魔しちゃったわね」
「い、いえ! こちらこそお邪魔してました」
穏やかな表情からか一転、表情に赤みがさす。
そういえば。
こいつの狼狽える姿を見るのは新鮮な気がするな。
記憶を無くす前はどうだったか知らんが。
「いつからそこに?」
「あんたが一生俺の傍に居てくれって言う所からかしら」
「そもそもそんな事いってねぇよ」
「ふふ、ごめんなさい。伝えたい事があっただけだからすぐ帰るわ」
「今週末には仮退院して良いそうよ」
「仮? ってかまじで?」
「そうだよ」
「良かったですね! 先輩」
「お、おう!」
や、やっと退院ができる。
こんな窮屈な空間ともやっとおさらばだ。
この時、退院の事実に浮かれていた俺は。
「だからちゃんと荷物あとめとくんだよ」
「そんな事を病人にさせるのかよ」
「あんた、滅茶苦茶元気でしょうが!!」
「…おめでとう、ございます」
いろはの表情が一瞬曇った事も。
「そろそろ限界かな…」
小さな呟きも気付けなかった。
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