過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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124:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/18(日) 00:47:46.62 ID:jk9APLDMO

カフェの外に出ると、強い日差しに目がくらんだ。

バッグの底から引っ張り出した花粉防止用マスクを着用する俺の横を、パトカーがサイレンを鳴らして走り過ぎる。二の腕から肩にかけて鳥肌が立った。


停留所に立って市営バスを待つ間、この暑い中白いマスクを用いている人間が自分一人なのにいたたまれず、俺はマスクを外した。小銭を数えているとバスがやってきた。

前部ドアから乗車して運賃を払い、車内を見渡す。乗客は黒人とカラードが10人、白人が5人。俺を指差して「こいつが犯人だ!」と騒ぎ出しそうな奴は見当たらない。
バスが発車した。不思議にも、通りを歩いている時より安心する。


住宅地の外れで俺はバスを降りた。5分ほど歩いて、デニスの家の前に俺は立った。



……俺の家が軽く10軒は建てられそうな広さの敷地。

その敷地を、落葉樹の植え込みに沿って2メートル以上はあるコンクリートの塀が囲っている。

そして、閉じられた門扉の鉄柵の先には石畳の舗道が、小ぢんまりとした古城を思わせる外観の屋敷へと続いていた。
こういった家の外観は、かつて俺が訪れた時と変わっていない。

とにかく、そっけないくらい静かだった。俺が恐れていた、非常線が張られパトカーが列をなす騒然たる光景は杞憂に終わった。



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