過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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133:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/19(月) 01:33:15.27 ID:h24hYKe/O

老人は銃を肩に担いだまま背を向け、姿を現した時と同じしっかりした足取りで玄関扉の向こうへ消えた。

残された殺人容疑者の俺は地面にしゃがみ込んで、ぶちまけられたカバンの中身をのろのろと拾った。

木漏れ日が散らばった衣類や洗面用具の上に斑点をつくっているのを、俺は泣きたいような、笑いたいような気持ちで眺めた。どこか遠くでサイレンの音がした。


10分も経たぬうちに老人は姿を現した。黒褐色のスーツに地味目なネクタイ、頭には黒い帽子を被っている。猟銃は持っていなかった。

老人は突っ立っている俺を空気のように無視し、カーポートの横に姿を消した。

カーポートのシャッターが開く。中からメタリックブルーのベンツが滑り出てきた。


「乗れ。そうだ、助手席だ」


助手席でシートベルトを締める俺を残して老人はいったん運転席を離れ、シャッターを閉めてから戻ってきた。
ハンドルに手を掛け、俺の顔を無表情に眺めて言う。


「これからどこへ行きたい? 警察署か? それとも俺に付き合うか?」

「……お任せいたします」

「なら、これからどこへ行こうと文句を言うな」



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