過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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139:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/24(土) 01:00:50.57 ID:L+14OgXBO

今の俺の境遇では、そんな人物の正面に座らされるのは当然気後れがする。
だが、「保護者」から離れるわけにいかない俺は、近親者の葬儀に初めて連れてこられた幼児のように、神妙な顔でデニスと並んで座るしかなかった。

俺は恐る恐る、デニスに話しかけた。


「皆さん何を…… なさっているんでしょう」

「降霊会だ」

「降霊? 死者の霊を呼ぶという?」


目前の状況は、やはり俺にはありがたくない展開に進むらしい。迷惑そうな俺の顔色を見とがめたのか、デニスが眉を顰めた。


「見てれば分かる。気をしっかり持て」


中央の老女の姿勢に変化が表れた。膝に両手を置いたまま、少し前かがみになる。何か呟くように口を動かしている。
周囲の男女は身じろぎもしない。静謐の中、中央の老女が今度は体を左右に揺らし始めた。


堂内は完全な静寂に包まれていた。この辺りを通る車もないらしく、微かなエンジン音さえ届いてこない。


振り子のような老女の動きが次第に小さくなり、やがて止まった。目がゆっくりと見開かれる。
息を呑んで見つめる俺に、突然、射抜くような視線が向けられた。全身の毛穴が収縮した。



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