過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
1- 20
167:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:32:30.20 ID:/K0HTZYAO

俺は男に支えられ、空き地までの坂を下った。そしてそのまま、食いたくもない昼メシの屋台に引きずられていく。
男の、胸がむかつくような汗の匂い。だが、離せと言ってもこの男は聞きはしまい。


「お前、女房と娘がいるんだってな?」


俺のことは俺よりよく知ってるんだろう? いちいち答えなきゃならんのか?

俺が黙っていると、侍姿の男は一段と馴れ馴れしい口調になった。


「元気がないな。男だろう、シャキッとせんか。娘はさぞかわいいだろう……? で、娘はいくつになる? 何を黙っている」

「なあ…… 本当に俺を殺すのか?」

「殺すと言っただろう。昼メシの後すぐに、お前の首は胴体を離れる。せいぜい味わって食え」

「助けてくれ。娘と女房が悲しむ」

「死ぬ間際の奴は皆、そう言って泣きわめく。お前も同じだな」

「なんだって俺を…… 俺が何をしたっていうんだ?」

「おのれ自身によく問うてみろ。……身に覚えはないとでも? ふん、お前の頭は知らずとも、血は忘れはしまい」


男が何を言ってるのかさっぱり分からない。そして分かりたいとも思わなかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
178Res/165.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice