過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
1- 20
169:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:52:25.81 ID:/K0HTZYAO

「さ、食え」


いびつなループ状になっているカウンターの、手近の位置に侍は腰を下ろした。
こいつと仲良く並んで食事しなくちゃならない義理はないし、こいつも強いて求めている様子はない。


俺は自分にあてがわれた刀を杖に、足を引きずりながら侍の側を離れた。右足に体重がかかるたびに激痛が走ったが、何とか侍とは反対側の席にたどり着けた。


俺の着席を待っていたかのようにコンベアーが止まり、正面に料理を載せたトレイが停止する。

「これを食え」ってことなんだろう。


仕方なく俺は目の前のトレイをカウンターに下ろし、蓋を取った。カレイのような魚の煮付け、サラダと煮物の小鉢、味噌汁、丼に盛った白飯が並んでいた。

まさに、居酒屋でランチタイムに出る定食メニュー。これを青空の下で食えとは、ありがたくて、情けなくて、涙が出そうだ。


俺は震える手で樹脂製の黒い箸を取り、煮魚の身を一切れ口に運んだ。


……外見を全く裏切らない、昼定食の煮魚そのもの。とはいえ、味はそこそこに悪くない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
178Res/165.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice