過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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170:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/26(月) 00:56:13.21 ID:/K0HTZYAO

コンベアーを隔てて左斜め前に座っている侍野郎は、俺には目もくれず忙しそうに食っている。
そんなにうまいんだろうか? だからといって、俺のことを忘れてくれるほどではあるまい。


間違いなくあいつは、俺よりずっと早く食い終わって立ち上がり、俺がまだ食ってるかどうかなどお構いなしに刀を抜くだろう。


最後の晩餐ならぬ、最後のランチを、俺はのろのろと食った。

鼻の奥から、固い棒みたいなものがこみ上げてきて、溢れ出した。涙が丼の白飯の上に、味噌汁の上に落ちる。

遂に俺は、幼児みたいに声を上げて泣いた。助けに来てくれる親などいないのにみっともない声で泣き、魚の身に箸を入れる俺。


侍が立ち上がった。俺に背を向けて立ち…… 両手を前に出して、少し前かがみになってじっとしている。


立小便か。


軽く腰を上下に振って、立小便が終わった。刀の束に手を掛けた侍が視界の端から消える。



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