過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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24:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 22:26:13.26 ID:isVQX5GDO

「個人の方が終末を迎えるに当たりまして生じます、医学的・法的諸手続きの迅速な処…… 取り扱いと、相続等に絡むトラブルの回避、まあこれは一例にすぎません。いえ、それより何より、ご本人様にとってのメリットが最も大きいと申せましょう」

「はぁ!?」

「冷静にお考えになってみてください! 冷静に」


証券会社は自分に酔った霊能者みたいに、俺の目の前に手のひらをかざす。
眼鏡の奥の目玉が大きく見開かれ、「あなたはだ〜んだ〜ん眠くなぁ〜るぅ」と言わんばかり。こんな猿芝居に乗せられてろくでもない金融商品に命金を突っ込み、火ダルマになった素人がいたんだろうか?

平穏無事に生きてるより理由も分からず殺される方が本人のメリットだと、初対面の人間に信じ込ませるテクニックがこれか! 世の中にはいろんな名人芸があるもんだ!


「……俺さんが本日退社された後事故で突然お亡くなりになるとすれば、ご自身の終末に向けた準備を何ら為すことができぬまま、死を迎えられることになるのです。それに、こう申すのは大変失礼とは存じますが」


××はいったん言葉を切り、「これは何よりも重大だ」とでも言いたげに、下唇の端を噛んで見せた。


「仮にその…… あくまで仮にですが、身辺に様々な見苦しい物がおありでも、突然のご不幸に見舞われますと、そのままご遺族の目に触れるところとなってしまいます」

「そんな物、あんただって一つや二つ持ってるだろ?」

「いえ、それは人の受け取り方次第かと…… これに対しまして、近い将来のご不幸が予測できれば、遺書を残すなり、身辺整理をする余裕も生まれます。もちろん、人によって持ち時間の長短はございますでしょうけれど」



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