過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 00:23:58.85 ID:JQgl42xHO

「……当事者である俺が、役員室に乗り込んでも同じだと思うか?」

「たぶんな。それにお前、通知してきた元を突き止めたとして、それからどうする?」


俺は同輩の哀訴するような視線を、やりきれない思いで見返した。

分かってる。「元」なんて今はもう存在しない。
役員の誰あてか知らないが、ご託宣を下ろすのと同時に、消えてしまってもうどこにもない。

勤め人を20年もやってればそれぐらい予想はつく。


この世界ではいつも、一番肝心かなめの部分が闇に覆われている。

不可知の部分は話題にもならない。人の意識にも現れない。そうやって一瞬で犠牲者を飲み込んでしまう。


「バカげたこと聞くけどさ」

「うん、何でも聞いて」

「これで、何か有利になる話でもあるの?」

「結構あるよ。子供さん一人だったっけ?」

「うん、小学校2年」

「遺族年金に社独自で上乗せされる給付金が…… そう、向こう10年は出るはずだ。退職金も職務上の死亡って扱いになる。社として家族の面倒はできる限り見させてもらう」

「ありがたいね。で、俺が記入して提出するような書類はある?」

「ちょっと待ってて」



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