過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/09/23(水) 21:34:25.31 ID:3hRxWa4eO
階段を下りる。
1階の階段左脇で、10人以上の従業員が扇型になって立っている。従業員たちの視線の先では、30歳前後と見えるスーツを着た女が熱弁を振るっていた。
俺はこの女を知っていた。取引先の会社のやり手社員で、相互の商品開発に関して情報交換を重ねたことがある。名前は忘れてしまったが、仕事に対する情熱の傾け方などで、俺が好ましい印象を持っていたのは間違いない。
女性としても顔はともかく体の方がなかなか肉感的に見えたから、そちらの印象も小さくはなかったんだろう。
俺が従業員たちの背後で話を聞いていると、突然女が俺に鋭い視線を浴びせ、ボールペンの先を俺に突き付けて声を張り上げた。
「例えばこのように、外部の人間がいつの間にかこのミーティングを立ち聞きしていたりします。こういうレベルから意識改革をしていかなければ、いずれ取り返しのつかない事態を招きます!」
畳みかけるように背後から男の声が響いた。
「皆さんよろしいですか?」
作業服を着て四角い眼鏡を掛けた、煮しめたように肌の浅黒い長身の男が、縁の擦り切れたバインダーを手にして立っている。もう30年は工場勤務一筋で生きてきたという雰囲気が全身からにじみ出ていた。
「当社で勤務する考えを伝えた人は残って。それ以外の人は出てってください」
男は俺を見てはいなかったが、まるで犬か猫を「しっしっ」と追い払うみたいに手を振り、さらに「出てって」と駄目押しした。
俺は憤然としたが、やり場のない憤りをどうすることもできなかった。そして人の流れが、俺を抗いようもなく出入り口へと押しやっていく。
そして、叩き出されるみたいに俺は建物の外に出た。
外は日差しが眩しかった。俺はそのまま、何の当てもなく歩き出した。
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