過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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62:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/23(水) 22:57:44.85 ID:3hRxWa4eO

やがてタクシーはフリーウェイを抜けて碁盤目状の住宅地に入った。

柵も塀もない広い敷地に、ほとんど平屋建ての住居が立ち並ぶ風景。
かと思うと、突然メタリックに輝く超高層ビルが視界に飛び込んでくる。


中心街からはずれたこの辺りは、砂漠の本質を建築物で置き換えるとこうなるみたいに、生命感の欠落した静寂に支配されている。

この乾ききった静寂は、俺がここで働いていた当時と少しも変わらない。
砂漠の清浄さとはそういうものかもしれないが、それは俺には、癒すことのできない渇きを催させた。


人間もそうだった。

湿度ゼロの環境に適応したような酷薄な強靭さを身に付けた人々に、俺は正直言って相当にてこずらされた。
だからこの土地にあまりいい思い出はない。赴任して1年半ほど経った頃、俺はさりげなく異動を本社に打診し、何とか認められた。


……どっちにしろ、自分の未熟さ、能力の無さがすべてだった。

確かに、こういう先進国の大都会に着任すれば、会社はそれなりの結果を求めてくる。
それでも、政情不安だったり極端に治安の悪い国に赴任する場合も考えたら、甘えだと言われて返す言葉もない。


タクシーはそんな静まり返った住宅地の一角で止まった。



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